@cojilo 's diary

食べに行った飲食店の話とか食べ物の話とか

ノマドワーキングについて私の考えと実体験。働き方、生き方のカタチ。

 

 ブログを移転して、最初の記事はノマドワーキングについて書こうと思う。この記事ではノマドワーキングに対する考え」「ノマドワーキングの実情」について、私の考えと実体験を元に書いていこうと思う。

 「知る」ことは人に「選択」を与える。ぜひ興味がある人には読んでもらいたいし、そのような働き方があるということ多くの人に知ってもらいたい。

 

ノマドとは何か。

 まず、そもそもノマドnomad)」という言葉はなんだろうか?これは遊牧民という言葉の英訳として用いられることが多く、広く知られているのはモンゴル国の草原を「ゲル」という移動式の住居を用いて1年を移動して生活する遊牧の民だ。人類の生活類型は二大区分として「移動型」と「定住型」があり、つまりその「移動型」を指す。私は民族学者でも無いので、この解説はここらへんで終わらせよう。

 「働き方」に対する視野を広げ過ぎると収拾がつかないので、大きく昭和45年以降の日本社会を例に考える。通常、多くの人々は義務教育を終えると高等教育機関へ進学するか、仕事を始める。働き方には大きく、「会社をはじめとした組織(公務員含む)への就職」「家業などをつぐ。」の2つに別れる。会社に就職した場合、多くの企業では平日5日間を働き、週末は休日だ。そして毎月労働契約に基づいた賃金をもらう。そして、多くの場合は取引先の事務所に出向しての勤務か、自社の事務所へ通うのだ。

 ノマドワーキングというのは程度の差はあれ、この既存のスタイルと異なる。極論を言えば出社をしない。または出社しても近所のカフェで仕事をしてもいいし、職種によっては国外にいても問題は無い。この様子から、「ノマド」という言葉が充てられている。「ノマド」の由来は多くの方が既に書いているだろうし、ここを論争してしまうと文献を大量に引っ張る必要があるので、前書きは以上だ。

 数年前、ノートパソコンは今出ているようなものより重かった。インターネットはどこでもつなげるわけでも無いし、通信速度が遅かった。例えば、画像を表示するのに、フェードインみたいに、少しずつ表示されているような時代、今はそれこそパッと表示される。職種にもよるが、ライター、デザイナー、プログラマーといった職業はオフィスに定住している必要も無いだろう(もちろん、もっと多くの職業がそうだ)。

 

本題に入る前に

 さて、ここまでざっと私が普段とらえている理屈的なノマドに関する考えだ。好きなところで働けばいい。ここまでは「仕事の時間」に限ったことではあるが、ここからさらに発展して「家を持たない生活」という概念で考えてみる。つまり、前述では「会社に通うけども、外で仕事してもいいスタイル」を考慮して書いた。これに関しては、後述の記事にて、イケダハヤト氏(@iHayatoもう少し吐露すると、在宅勤務を許してくれるのなら、僕もまた会社員に戻りたいとよく思っています。フリーランスの来月の収入がまったく読めない感、体調崩したらゲームオーバー感はかなりシビアです。(ブログ記事より引用) と述べている。家なきノマドワーキング、この話については、記事の最後の方に追記する。


ノマドに憧れる人々、なる人々、現実

 ソーシャルメディアを活用し、ブロガー/講演/執筆/コンサルタントとしてご活躍されている イケダハヤト氏(@iHayato のブログ記事に、簡潔にまとめられている。

なぜ人はノマドに憧れるのか http://www.ikedahayato.com/?p=7377 ihayato.news

 

 また、lifehackerにも、まいるす・ゑびす氏(@eggmen8執筆の記事がある。

ノマドワーカーがクールだなんて幻想だ! というお話 http://www.lifehacker.jp/2012/04/120410nomadisntcool.html

 

 総合して言えるのは、フリーランスとして自力で何かの収入を得て動くことができなければ、実現は難しいだろう、ということだ。

 

 

私の経験

 ここからは私が以前のブログで執筆した記事(それでもノマドをやりますか? [前半] http://ameblo.jp/cojilo/entry-10960375185.html )の後半を再構成して書いていこうと思う。呼びかけは前半に書いてある。場所にとらわれない働き方。旅をしながら・・・、どうだろうか、ワクワクしてくる。現実はどうだろうか。

 

1.食事をどうするか?

 私は料理ができない。旅先にキッチンがあっても、だ。できることはお湯を沸かすこと、乾麺を戻すことぐらいだ。薬味程度なら準備できる。ノマドワーキングにおいて食事問題は直面する。まず食材の持ち歩きが限られる。1週間滞在する先に冷蔵庫や調理設備があればだいたいのことはできるが、そうでない場合、持ち運べるのは常温で管理できるものとスーツケースに入る量だ。

 現実的な経費では、1食あたり、300円だとして、1日3食900円。私は実際に体験してみて、ものすごく腹が減った。参考までに身長166cm、体重51kg前後だ。コストパーフォーマンス的には、朝食を抜きにして、さくら水産の500円ランチ(多くの店舗は平日のみで朝昼兼用にした。計算上は1食250円だ。16時近くまでやっている店もあるので、15時くらいに食事をとれば3食兼用。しかし、人は食いだめができないもの。そして現実的ではないことを実感するだろう。

 前述の例として、飯田橋にある東京セントラルユースホステルはキッチンと冷蔵庫がついているため、滞在期間中は食料を備蓄することが可能。この点、シェアハウスであれば食料の買いだめもできるし、住人皆でパーティーするのもいい。いずれにせよ、ノマドワーキングを始めると食事代が高くつくだろう。電源を求めてカフェに入れば飲食代はかかるし、有料のコワーキングスペースというのもある。

 

2.宿泊先をどうするか?

 私は昔、名古屋へ出張した時に0泊3日をした。車中泊だ。1日目の深夜、新宿から夜行バスに乗る。それで一泊。早朝、名古屋についた。用事を済まして、その晩のバスに乗る。そして翌朝を迎えたのだ。

 24時間営業のファミレスは宿泊先になるだろうか。おそらく寝てたらとがめられることが多いだろう。前述の名古屋では、10時間近くマクドナルドにいた。あの座席に座り続けるのはなかなか大変だ。起こされている人も多かった。ノマドワーカーは持ち物が限られている、それ故に、身の回りはすべて貴重品であることが多い。

 こうなるとやはり普通の宿泊先も検討する必要がある。友人・知人宅。満喫。スーパー銭湯。私が以前ノマドワーキングしていた時(2010年の8月 - 2011年の5月)、国立オリンピック記念青少年総合センター内にある、代々木ユースホステル、東京セントラルユースホステル(旧東京国際ホステル)を主に利用していた。

 金額は会員料金で代々木が3,000円、セントラルが3,360円。東京セントラルは飯田橋駅を中心として交通の便が非常に良く、地下鉄から東京セントラルは直接行ける。雨でも濡れず、コンビニ、スーパーも近い。

 ユースホステルは、ホステルごとのローカルルールがあるので要注意。代々木は個室で、日中も部屋に滞在可能、東京セントラルは共同部屋で、日中は清掃関係のために外出。また、東京セントラルはビル内にあるため、深夜から早朝にかけては完全に施錠。門限がある。どちらも風呂、シャワー、コインランドリーは完備されている。

 

3.衛生をどうするか?

 秋葉原駅、御茶ノ水駅からそれぞれ5~10分程度の距離にある、神田アクアハウス江戸遊は1回450円。ユースホステルではホテルの個室とは違い、利用時間帯が決まっている。どうしても風呂やシャワーに入れない時、ウェットティッシュなどで足を拭いておいたほうがいいだろう。靴下などによって蒸れると皮膚に悪い。清潔にしておこう。

 

4.洗濯をどうするか?

 持ち運びが可能な衣服が限られている。また、洗濯方法も自宅とは違い選べない。、1,2着はどうでもいいような服、速乾性のある服を持ち運んでおきたい。ホステルなどの宿泊施設に泊まるなら解決するが、街中のコインランドリーは把握しておきたい。洗濯機、乾燥機は場所によって値段と使用時間が異なる。最悪、手洗いをして1,2日で乾かせるものが必要だ。アイロンは持ち運べ無い(ホステルでは貸出があったりする)。

 ここで洗濯代を計算してみる。粉の洗剤をその場で買うより、液体のやつを1本常備。洗濯機・乾燥機ともに200円/回だと仮定すると、1度の洗濯は400円。3日に1度洗濯をするとして、月4,000円のコインランドリー代。持ち運ぶ服が多いほど洗濯するまでの期間をのばすことができるが、実際に持ち運び量に限界があるのでバランスだろう。

 

5.まずはやってみる

 例えば1週間でもいいから体験してみてほしい ノマドワーキングは、人によって考えることが異なる。自分がノマドワーキングをするのに、何を持ち運ぶべきなのか、何を整備するべきなのか、気にかけるのか。そういったことは、実体験から得ることができるものだ。

 私は比較的大きいスーツケースに、26インチのPCディスプレイ、それからプリンタを持ち運んでいた。どちらも通常、部屋に設置しておくようなものだ。また、住所は無い。実家や、別にどこか借りていたら、郵便物はそちらに届けばいいだろうが、いつかは取りに行く必要がある。

 最初はまず、3日間から初めてみてはどうだろうか。1週間にのばし、2週間にのばし、1ヶ月。ノマドワーキングは想像以上に神経を使う。家の自らの「部屋」という環境を捨てる。家の布団でごろごろ。必要なものは欲しい時に手に入る。お気に入りの音楽をお気に入りのスピーカーで。本棚から本を選ぶ。そのすべてを、ノマドワーキング中は捨てるのだ(持ち運びができれば環境は再現できる)。見ず知らずの人々に出会い、時には一緒の部屋寝る。毎日違う人との出会いもまた、面白いものではある。

 実際のところ、ノマドはお金がかかる。そして、旅をしながら、お財布が満たされる仕事はあるだろうか?

 

「家を持たない生活」

 MG(X)編集部(http://blogbeat.jp/mg/を主催する(という表現が正しいかわからないが)、玉置沙由里氏(@sayuritamaki氏が以前にまとめている記事がある。

「家をもたない生活」http://d.hatena.ne.jp/iammg/20110905

 私も微力ながらMG(X)の試みに参画し、次のように感想を送らせてもらった。この感想は、私がノマドをして形成した考えだ。

 

女。MGの日記。[エッセイ]家をもたない生活 より引用

"約1年近く、都内で定住せずに転々として仕事を続けていた。(MG: 詳細はこちらのブログに書かれていますね!)

確かに家とは何だろうか。モンゴルの民族だって、かつて中央アジアをさっそうと荷馬車で移動したケルト人だって、必要な時、そこに家を用意した。

 都内で転々としていた時、必要な日用品はすべてスーツケースに詰め込んで行動していたが、今回、物々交換(実態の無いものである場合もあるので、みなし等価交換と呼ぶべきか)というキーワードを見て、一つヒントを得た。その時家賃は現金による取引だった。

 もし自分が行うとしたらなんだろうか?決してエンジニアの技術が高いわけではないので、若さを活かして雑務を行うことかもしれない。しかし、そうやって自分が本当に人に対して役に立つ能力は何か?と知ることで、そこから、「給与を得るとはどういうことか?」という思想にいきつく。人は就職して雇用されれば、毎月給与が出るものだと当たり前に思ってしまう。しかし、それは本来、その人の能力が会社に活かされて利益になり(または将来的にそうなると見込まれて)、その上で対価として払われていることに人は気づかなければならない。等価交換の対象が金銭でない時、改めてそういったことに気付かされる。(本題とは違うことではあるが)。

(MG)

私たちは大学を卒業したら会社に所属し、仕事は自然に与えられるものと思っているふしがある。でもそんな甘い時代は過ぎ去ろうとしている。大学を出たのに組織での仕事を得られない。そんなこともあったりする。その時に、死を選ぶのは極端すぎる。自分のちょっとした能力をいかして、貨幣を介せずに「等価交換」を行うことができるかもしれない。おまけにお金も稼ぐことができるかもしれない。そういう原初の経済について改めて考えてもいい気がしているんです。"

引用ここまで

 

 会社に行き、毎月給料をもらう。それとは異なり、フリーランス(※これは言葉の代替であり、フリーランスになろうと言っているわけではない)として収入を得てノマドワーキングをする。人々はこのスタイルで生活、生きることができるとなれば、この働き方は少しずつ普及するのではないかと思う。人はお金が入らず、生活できないと思うから、そういう働き方をしないだけだ。

 もちろん、各自が思う働き方はあるので、こっちが主流になるだとかそういう考えはない。だけど、今まで知らなかった人が、そういう働き方もあるのか、それで食っていけるのか、じゃぁ自分もそうやりたい。そうなっていくはずだ。

 この記事の結論を言うと、私はノマドワーキングというライフ/ワークスタイルは、求めている人がいると思っており、そうである以上はより活動しやすい環境が整うことは「作品の創造」と「一定環境下における経済への発展」につながると考えている。こういう働き方をしたいのに、できない、だから家で無職で何もせずに日々過ごそう、といった人々や、日々の働き方に疑問を感じている人たちの悩みを解決する手段では無いだろうか。

 そして、それが普及してったら面白いだろう。だから応援したい。

 

@cojilo

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