@cojilo 's diary

食べに行った飲食店の話とか食べ物の話とか

料理に関わる人を応援したくなる。

1年半くらい前の話。

 当時飯田橋のユースホステルに長期滞在していた。そこのキッチンで朝食と夕食を作ってる方(おそらく、おじいちゃん、と呼んでも失礼ではない年齢)の話。 僕が所謂「固定された職場」に通わず、あちこち泊まりがけで働いてた(人はノマドと呼ぶのだろうか)のだが、その人はいまいちそれはよう分からんと言っていた。 毎朝決まった朝食を作り、夕飯はオーダーする人がいなければ作ることが無い、そんな調理場だった。

 毎日話していく間に、その人はもともと全く違う職場で今までサラリーマンをしていたらしい。しかし、彼の実の夢は、料理人として調理場に立ち、客に美味い飯を食わせることだった。彼が包丁を握ったのは、話と年齢から推測するに40を過ぎたあたりからだ。 対して美味い飯とは言いがたいが、僕はあの人の作ったそこら辺にある朝飯と微妙な夕飯が「好きな味」になっていた。ある日、お前も若いだろうが頑張れよ。オレにはコンピュータなんかわかんねぇけどな」と言ってくれた


 食堂は夜は自由に使えるオープンスペースになっていて、僕はそこで深夜ノートパソコンを叩いた。彼はたまにそれを見ていた。彼は近場から地下鉄で通ってるらしく、いつも朝は当直のスタッフをのぞいて朝一で入るらしい。

 「次の職場決まってねぇんだ。どすっかな。」
 
 そのユースホステルは昨年4月に東京都の事業仕分けにより事業譲渡され、現在は日本ユースホステル協会(JYH)が引き継いでいる。もちろん、スタッフは引き継ぎをして総入れ替えだ。

 そんなことがあってか、「飯」に関わる人に会うとやはり応援したくなる。それがバーテンだろうがアルバイトだろうが、ベーネ!と叫ぶイタリアンだろうが、全部。